パッケージの作成、管理、利用の全てで
楽ができるから です。
例えば、TeX の環境を構築したいのであれば、
ターミナルを開いて
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get install OSX-base $ sudo apt-get install task-tetex $ sudo apt-get clean
パッケージの更新はバグが見つかる度に成されますが、
その場合でも、
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get dist-upgrade $ sudo apt-get clean
この様な楽ができるのは apt-rpm system
に先人達の成果を集積しているからです。
ソース・パッケージ (hoge-ver-rel.src.rpm) には
ソースだけでなく、パッチやコンパイル、インストールの仕方まで
こと細かに書かれています。
つまり
web 上に散らばった情報を集積している訳です。
OSXWS をインストールして src.rpm を展開
してみれば
貴方が何時間も、
時には何日も掛けて探しまわった情報と作業が
たった一つの src.rpm ファイルに凝縮されている事に気づく筈です。
どうですか?
かなり楽が出来そう
ではありませんか?
MacOS X 上での UNIX 研究環境を構築するには
Fink
をはじめ、
琉球大学の
EasyPackage
や、DarwinPorts
等があり、
各々がそれぞれのパッケージングシステムを持っています。
他にもパッケージングシステムを持たない総合情報として
Mac Wiki
が在り、
自分が必要とするソフトを手で一つ一つ入れる事も出来ます。
当然の事ですが、それぞれに利点と欠点があります。
Fink の利点は何と言ってもパッケージの多さでしょう。
その反面大きなプロジェクトである為に、
我々の些細な(しかし研究上無視出来ない)変更を施すのは
余分な労力を要します。
EasyPackage の利点は琉球大学で既に利用されていて、
且つ、ある程度活発なコミュニティーが存在していることだと思います。
しかし rpm の様に枯れた技術とは言い難く、
Linux の使用歴が長い研究者にとっては多分に不安を覚えるのも事実です。
DarwinPorts は Apple に最も近い存在ですが、
既にかなり大きなプロジェクトになっている事と、
小林が FreeBSD を殆ど知らない事から対象外になっています。
apt-rpm を用いる副次的な利点としては、同じシステムを用いている
Vine Linux 等 Linux の成果を活かし易い 事があげられます。
以下、システムの簡単な概要を説明します。
rpm は Red Hat が Linux distribution のパッケージングシステムとして 開発したものです。
rpm, rpmbuild 等のコマンドを通して、 パッケージの
Vine Linux
等、多くの Linux Distributer がこのパッケージングシステムを採用しており、
MacOS X WorkShop に移植する際にそれらを拝借出来ます。
また、ソフトベンダーが Linux 向けの製品を提供する場合は
殆 rpm 形式が使われており、
Linux での標準的なパッケージングシステムになっています。
apt は Debian GNU/Linux が Linux distribution のパッケージ管理ユーティリティとして 開発したものです。
Debian の特徴は rpm ではなく独自のパッケージシステムを利用している事と、
8000 以上の膨大なパッケージ数を抱えている事です。
パッケージングシステムは兎も角、
この様な膨大なパッケージを利用する為には
何らかの強力なパッケージ管理ユーティリティが必要です。
apt はその目的を果たす為に開発されています。
apt-get, apt-cache 等のコマンドを通して、
apt-rpm
は
Conectiva Linux
が Linux distribution のパッケージ管理ユーティリティとして
Debian の apt を rpm に対応させたものです。
MacOS X WorkShop では Conectiva の apt-rpm を Vine Linux
が日本語対応にした物を流用しています。
rpm や apt の利用方法は「 MacOS X WorkShop の使い方 」を御覧下さい。